治療の痛みに関して
誰でも病気に対する恐怖心があります。
それより治療や検査に伴う痛みへの恐怖心が病院に行きたくない最大の理由ではないでしょうか?
病院で一番臆病なのが外科医と言われていますが、私も例外ではなく、たぶん痛みに対する恐怖心は普通の人より強いと思います(笑)
実は小学生の頃、ガラスで膝に10センチくらいのケガをし、麻酔無しで縫われた記憶があります。とにかく痛くて暴れた覚えがあります。この時、母は麻酔を使うと治りが悪くなるからと説明を受けたそうです。実際には麻酔で治りが悪くなるような事実はなく、むしろ麻酔をして、痛みをとってから十分に傷を洗い、きれいにしてから縫合するべきだったと思います。
このような経験から痛みに対しては十分に配慮をし、小さな処置でも麻酔をしてから行います。皆様の中には“ちょっと”だからと、無麻酔で痛みを伴う処置を行われ、“ちょっと”で終わらなかった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
麻酔も確かに痛みを伴いますが、その後は安心して治療を受けられます。
当院ではその麻酔の痛みを和らげるための工夫を行っています。
麻酔の痛みは以下の3つに分類されます。
- 針が皮膚を刺すときの痛み
- 麻酔薬が注入されるときの痛み
- 麻酔薬の刺激(温度、PH)による痛み
当院では通常31ゲージ、眼瞼などの皮膚がうすく柔らかい部位に対してはさらに細い34ゲージの注射針と、1ccの小さな注射器を使用します。細い針の注入は力も要りますし、注入に時間を要します。しかし、それにより急に麻酔薬が注入されるのを防ぎ、麻酔が浸透するまでの時間を稼いでくれます。それ以外にも針刺入部の皮膚を圧迫し、血流を抑えてから針を刺す、しわは痛みが鈍いのでここに刺入し痛みを和らげるなどの工夫をしています。
また、お子さんのケガの時には傷口から麻酔薬を散布し浸透させ、それから針を刺せば刺す時の痛みを感じません。
止血剤入りの麻酔薬は使わない時には冷蔵庫で保存しなくてなりませんが、取り出して冷たいまま注入すると、これが痛みの原因となります。予め常温に戻し、お子さんに使用するときには一番痛くないといわれる40℃程度に加温して使用します。
あらかじめ塗る麻酔や貼る麻酔を使用したり、ブロック麻酔で刺す回数を少なくするなど、最大限の工夫を行っています。
痛みに自信がない方でも過度に心配せずご来院下さい。