陥入爪・巻き爪
陥入爪は、爪の端が皮膚にくい込んでいる状態のことです。巻き爪とは、爪がカーブした状態のことです。共に足の親指に多く、深爪、外傷、靴による圧迫が原因となり、変形により痛み、腫れ、ひどくなると、膿が出るなどの症状が起こります。化膿を繰り返す場合、弯曲した爪により常に痛みがある場合が治療対象となります。
① 陥入爪に対するフェノール法手術:食い込む部分のみ爪を除去し、食い込む部分の爪が出てこないようにフェノールで爪を造る組織を焼灼します。稀ですが、食い込む部分の爪が再び生えてくることがあります。その場合、同じ処置を行います。
② 爪の先端2か所に穴をあけて、復元性の高いワイヤーを装着し、そのワイヤーの元に戻ろうとする力を利用して巻き爪を矯正します。この処置は、足の親指の爪が丸く巻いている場合に適用されます。爪が割れたり、ワイヤーが外れることがありますが、日常生活にほとんど影響を与えない侵襲の低い治療です。通常1~2ヶ月毎にワイヤーを交換し、変形が改善するまで数か月要します。終了後しばらくすると再変形を生じることがありますので、クリップ等で予防します。
ワイヤー法は自費診療で、1回3,000円(税別)です。
③ 爪床形成術:爪全体が巻いている方に行います。爪を除去後、その下の組織を剥がし、骨を平らに削った後、爪床を戻して縫合します。術後1〜2日までは出血、感染などを認めることがあります。しばらく痛みのため、歩行に影響が出ます。約2週間後に抜糸をします。爪が元の長さまで生えてくるのに数か月要し、しばらくは肥厚など変形が残ります。
フェノール法、爪床形成術は健康保険の対象となります。手術費用は3割負担の方で5,000円~10,000円程度です。